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Q1.装備重量が約70kgです。適正飛行重量が65-90kgの機体に乗り換えたいと考えています。インストラクターは少しきびしいと言っているのですが・・・A1.カタログに記されている適正飛行重量の範囲は、DHVによって安全基準は保証されています。実際のフライトテストでは、メーカーから提出されたMAXとMINの飛行重量でテストが行われ、その中からDHVが認める適正飛行重量が決められるのです。よく「適正の上限で乗る方が良い」という話がありますが、実際には必ずしもこの限りではありません。例えば故意につぶしを起こした時は、MAXで乗っている方がMINで乗っているより早い挙動を示します。翼面加重が高い分だけ加重の移動が早くなるのは当然のことです。また直線飛行中のMAXとMINの速度差は僅か1km/hの差しか有りません。以上のことから装備重量が約70kgあるのであれば、安全上問題はないといえます。各グライダーの詳しいDHVテストリポートはリンク中のDHVホームページ(日本語版)をご覧下さい。
Q2.プロデザインのグライダーに乗って3年目です。ライン切れの話などを聞くと心配になりますが、ラインに対応年数はあるのですか?
A2.対応年数というより、使用時間が問題です。しかし使用条件が全く異なりますので、具体的に何時間という数値はありません。今までの経験から言うと、キャノピーの素材の方が先に限界を迎えるようです。ご存じの通りプロデザインの普通のモデルはダイニーマラインを使用しています。このラインの特徴はラインコンセプトをごらん頂くとして、プロデザインに持ち込まれるパラグライダー(数年前からドイツ・オーストリアでは、キャノピーの定期点検制度は実施されています。2年に一度この検査にパスしなければ国内での飛行は許可されません。プロデザインはこの指定工場になっています。)の中でもダイニーマラインの耐久性の高さは実証されています。98年から採用され始めたプレストレッチド(PST)ダイニーマはより細くより丈夫なラインとして注目を集めています。
Q3.プロデザインのパラグライダーの下面の縫製について疑問があります。殆どのメーカーが上面と同じ内縫いにしているのに、なぜプロデザインは外縫いなのですか? 特別な理由があれば教えて下さい。
A3.内縫いにする理由は、整流効果の向上と見栄えの良さがあります。しかしプロデザインはそれにより失うものに着目しました。第一に下面の強度です。以前から下面部分にシームテープを用いて強度を持たせていまが、内縫いにするとこの縫製方法は採用できなくなってしまいます。一見作業工程が難しそうな内縫いですが、作業工程は大幅に短縮できます。第二にメンテナンス性が悪くなることです。当然そのコストはユーザーに跳ね返ることになります。プロデザインではその決断をするにあたり、同型機を従来の外縫いと内縫いで作り分けテストを繰り返しました。その結果は新型機ターゲットでも外縫いを採用していることで明かです。そこには決定的な飛行性能の差はありませんでした。
Q4.パラグライダーの製造方法について。縫製の代わりに接着剤を使って作れば、強度やデザインの自由度がますのではないでしょうか?
A4.最近同じ様な内容の質問を受けました。接着面の柔軟性、重量増、メンテナンス性などを考慮すると、現段階では縫製の方がデメリットが少ないようです。しかし確かにすごい接着剤も発売されていますから、そんな時代がいつか来るのかも知れませんネ。