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フライト日記 in Austria 自称Sky Junkie, 永田雅美 ジオスポーツ恒例のオーストリアパラツアーに参加した.メンバーは中台リーダー以下,5度目の参加となる長野さん,3度目の桐木さん,2度目の私,そして初参加の太田さんの総勢5名であった.以下は自分のフライトを中心としたツアー日記である. 6月21日(土) アムステルダムで長いトランジットの時間をつぶし,21時頃インスブルックに到着した.ホテルに向かいすぐに就寝できると思ったのが大間違い,レンタカー会社にスタッフがいないのだ.交通事故処理のために出かけていて20分くらいで戻るとのことであった.その後予約が入っていないともめ,到着から約1時間半後にやっとホテルへ向かった. 6月22日(日) 足慣らしのためのエリア(といっても高度差は約800m),ノイシュティフトに向かう.1本目は小さいサーマルを2回はずし,ぶっ飛び状態でランディング.2本目,中腹で粘りに粘り,前回できなかったテイクオフした尾根のピークのトップアウトを達成する.
その後3200mくらいまで上げ,北東の隣の尾根(北斜面)につけるが,少し時間が早かったせいかサーマルがなく,ミニクロカンはできなかった.しかし,3時間近くのフライトを楽しんだ. 6月23日(月) 絶好調を予感させる快晴の中,スチューバイ(シュリック2000)へ向かう.ここは南東斜面なので午前のエリアである.先陣を切ってテイクオフし,難なく3500m近くまで上げる.3000m前後をキープして1時間以上飛んでいたら,冷えて指先の感覚がなくなってしまった.このため,ノイシュティフトのテイクオフポイントにトップランディング.ぼこぼこサーマルのはずなのに,非常にイージーな着陸.風がおかしいと感じ周りを見渡すと,右後方からのフォローである. 2時間近く待ったが,アゲインストの風が入らずリフトで下山することに.ノイシュティフトのリフト券は購入していないので,チケットを買おうとしたら,ただで乗せてくれた.リフトの係員はスチューバイから飛んできたとは思っていないだろうから当たり前か. この日常連の長野さんは絶好調で,2000m以上の尾根上を縦横無尽に飛びまくっていた.トータルの飛行距離は50kmくらいだったとか. 6月24日(火) イタリアのドロミテに遠征する.地元の機体が1機自宅の庭(?)に下りるのを見たが,それ以外誰も飛んでいない.中台リーダーがあちこち電話した結果,風が強いからとのことだった.ドロミテ1周の観光をして20時頃ホテルに戻る. 写真で見るとそれほどでもないのだが,実際のドロミテの風景は「超」迫力のあるものだった.
6月25日(水) ジオスポーツのツアーでは昨年始めて飛んだというチラタールエリアへ行く.天気が安定せず,テイクオフへ向かう途中のリフト上で雨が降り出した.結局飛べずに下山し,明日の天気を期待することに. 6月26日(木) チラタールでぶっ飛びに近い状態で1本飛ぶ.それでも時間は30分,さすが日本とはスケールが違う.隣のゴンドラとリフトを乗り継いで2本目のテイクオフ(最初のテイクオフより北側の尾根)に向かう.
リフトを降りた頃から雲行きが怪しくなる.地元のフライヤーから危険と声をかけられ,Uターンする.下りリフトの中間点で大粒の雨,ゴンドラに乗ろうとしたら雷と強風のため一時運休になってしまった.30分後にやっと下山できた. 山が高いせいか,積乱雲の発生から雨が降り出すまでの時間が極端に短いようだ. 6月27日(金) 昨夜到着したイクスのグループと合流してのフライトとなる.入れ替わるように,長野さんは身内の不幸のため早朝帰国の途に着く. イクスグループは直接ノイシュティフトへ,ジオグループはシュリック2000のテイクオフから飛んでノイシュティフトに向かうことになった. 少々雲が怪しそうに見えたので,早めにテイクオフしたため,サーマルがほとんどなくぶっ飛び状態でノイシュティフトにランディング.程なく雲が空一面に広がり,飛べそうもないので様子を見ることになる. 日差しが戻ったので,3時頃ノイシュティフトからテイクオフする.しかし,4時近くに雲が広がり雨が降り始めたため,あわてて下ろす.急いでパラグライダーをたたんでいたので気がつかなかったが,イクスの危ないおじさんがもう少しで屋根の上にランディングするところだったとか・・ 6月28日(土) 最終日のため,気が入る.本日は全員が1本目シュリックでぶっ飛び,2本目でノイシュティフトに渡ることに. 天気は良いのだが,サーマルは思ったより相当渋い.数人がステイできずノイシュティフトに向かう中,粘ってテイクオフを200mほどトップアウトする.後続フライヤーも次々とノイシュティフトに向かうのを上空から眺め最高の気分だった. 一昨年は6日で約9時間,今年は5日で約8時間のフライトタイムであった.前回のツアーのとき試乗したEFFECTが気に入り,帰国後すぐにEFFECTに変えて以来,1回のフライトタイムが飛躍的に伸びた.したがって今回はもっと長時間飛びたかったというのが本音である.しかし,次回は「3000m以上のサーマルトップ」の目標が達成できたので,十分満足できたツアーであったことも事実である. 付録(その1)パラバックがない! 他人事と思っていたのに,成田で自分のパラバックが出てこなかった.翌日自宅に届いたので事なきを得たが,書類を見てびっくり.現金や貴重品,電化製品は免責となっていたのだ.バックが見つからなかったら,トップナビや無線機はパーになっていたところだった. 付録(その2)中台リーダーがプッツン イクスのツアーに参加した友人から聞いたのだが,ジオツアーメンバーがアムステルダムで帰国のトランジットをしている頃,あの温厚で冷静な中台リーダーがプッツンしたそうである.ランディングでイクスツアーのメンバー(確かに問題を起こした,または起こしそうな老頭児はたくさんいた)を無線誘導中に完全に切れて,「■■■■■」と叫んだそうだ.伏せ字はご想像願いたい. |