03. ASフライトツアーレポート 太田時雄
6月21日(土)
今回のツアーは私以外の3名(永野、桐木、永田さん)は リピーター。加えて私だけが事情により関空発でSARS などもあり若干の不安要素を持った旅立ちとなりました。
AMSスキポール空港にて中台さん他3名と(過去のレポートなどで見知っていたので)無事合流。乗り換えのCゲート入口にてパスポートチェック。20年近く前とはかなり様変わり。どうやらここでEUという国へ入国したことになるようだ。
ランディングアプローチ中にかなりのエアーポケットに遭遇しながら無事INSに到着。この後、恒例のレンタカーピックアップトラブル(事故処理のため係員がいない。)があるがPM11時にはホテルに到着。部屋はツインのシングルユース、これは楽だ。
6月22日(日) 快晴
朝食は一般的なヨーロッパスタイルのブッフェ。初日ということでまずはFulmpesとNeustiftのLDを確認し、まずはノイシュテフトのエリアで初フライト、高度差794mソアリングコンディションにはまだ早いがランディングコース確認のためぶっ飛び。
西側にある電線に注意すればLDは広く何の問題もナシ。ただしバレーの強いときはLDの谷奥側では高度処理をしない事。桐木さんがテイクオフ直後にビデオを落とすが幸いにもかすり傷。
再度TOに上がり他機の様子を見ながらウエイティング、昼頃ソアリングコンディションになるのを確認してテイクオフ。TO前からゲレンデ左サイドに沿って高度を稼ぎ後方の岩山(Elferspitze2505m)に付ける。もう少し高度を稼げれば東側の尾根に走ろうとも考えたがなかなか上げられ
ノイシュテフトLD上空へ
ず断念。北側に少し出たり西側の山肌に行ったりしながら約70分ほど飛んでノイシュテフトのLDへ無事ランディング。本日はこれで終了。初日としては大満足。
夕食はフルコース。メイン料理は毎日3種類あり朝に選んで頼んでおく。明日の予定を話したりしながら日本では考えられないほど時間を費やし食事を終える。明日はシュリック2000からテイクオフする予定。
6月23日(月) 快晴 午後一時雷雨
本日はシュリック2000からテイクオフ。テイクオフ裏はスキーゲレンデになっており景色は壮観。
昼前にテイクオフ、TO近くでやっと600m程ゲインし尾根沿いに南へHoberBurgstall(2611m)近くで海抜3100mほどまで到達。しばらく遊んでその後ノイシュテフトの斜面に移動するがあまり上げられず結局ノイシュテフトのLDにランディング。今回も約70分のフライトだった。永田さんはノイシュテフトのTOへトップラン。再度ノイシュテフトからのテイクオフのタイミングを見つつ昼食。しかしながら天候がだんだん怪しくなり永田さんはリフトでご帰還。
そうこうしている間に永野さんは一人3700m程まで上げシュリック西側の谷を回り本年も谷の入口まで行った後ノイシュテフトにご帰還。約40Kmのフライトとのこと。
6月24日(火) 快晴のち一時雨
本日はロケハンも兼ねてイタリアのドロミテへ、飛べれば飛び、ダメなら観光ということで8時30分にホテルを出発、途中30分ほどロスをしながらも11時30分頃カナツィのエリアに到着。
以前ここでフライトした人のビデオを見て知ってはいたがやはりかなり凄そう。LDはゴンドラステイションのすぐ近くで広く、アクセスも良い。但し風が強すぎるとのことなので今回はフライトなし。
ポルドイ峠で昼食をし中台さんの友人がいるコルバラへ。ここは1997年にスキーに来たところで懐かしい。ここにもフライトエリアがありLDも確認。しかしながらここでも結局飛べず、またの機会と言うことでお茶した後帰路につき7時40分頃ホテルに帰着、シャワーを浴びた後夕食。
本日のスチューバイタールは良いフライトコンディションであったとのこと、但しノイシュテフトのリフトは点検のため一日運休していたとのことでした。良い景色を見てきたということで!本日は終わり。まだ4日間あるし。
明日の予定はツィラタールのマイヤーホーフェン。
6月25日(水) 薄曇りのち雨
8時30分にホテルを出発9時45分頃着。まずはLDの確認、コース取りなどレクチャーを受ける。広さは広大、西側に高圧の変電所がありちょっと気になるが上空からはその赤色が良い目印になるとのこと。この地域は発電所があり高圧線も多いので高めでLD上空に入ることが肝要。加えて北側のペンケンゴンドラのケーブルも見にくいので注意。
フィンケンのゴンドラ駅に移動し天気はあまり芳しくないがとりあえずTOへ上がって様子を見ることに。頂上レストランでお茶しながら永野さん等から説明を受ける。結局雨が降り出したので下山。ここでもスチューバイ同様飛
途中、高速のパーキングエリアで昼食を取りインスブルックの市内観光に向かう。私と永田さんは旧市街へ1時間ほど観光。その間他のメンバーはそれぞれの用事を済ませる。
4時30分頃、ユーザーとして以前から興味のあったプロデザインの本社を訪問。地上1階、地下1階のこじんまりした建物で主に設計、試作をしているとのこと。数台の特殊ミシン、パソコン、各種マテリアル等がおかれていた。
6時ごろホテルに帰着。明日もう一度マイヤーホーフェンに向かう予定。
プロデザイン本社1階
6月26日(木) 晴れ 一時雷雨
昨日と同様8時30分にホテルを出発マイヤーホーフェンヘ向かう。昨日より雲が多いが目的地に近づくにつれて晴れ間も増えてきた。とりあえず飛べるだろうということでフィンケンゴンドラにてTOへ、リフトを降り約5分ほど下ってテイクオフエリアへ、広さは十分(五竜みたいな)だが傾斜が少なく風の弱いときはかなり走ることが必要か?
時間が早いためかまだ風が入ってこず弱い右フォロー、初めてなのでとりあえずぶっ飛び覚悟で準備をはじめ時折入るアゲインストのタイミングを見て出る事に、桐木さんにつづいてテイクオフし前を少し探るがゲインできるほどのものはないので早々にあきらめペンケンゴンドラ方面へ、
ここで上空よりLDの位置を確認後LD南の山肌へ移動。LD付近から出るサーマルが少しあったのでこの付近で少し高度をキープし写真撮影。ダムの放水路とLDの間で高度処理をしランディング。
永野さんが風待ちでウエイティングの間に先に降りた三人はもう一つのペンケンTOからのテイクオフを試みるため頂上へ向かう。頂上についたが雲行きが怪しくなり地元のフライヤーが戻ってきて中間の風が強すぎるからやめる
シュリック2000
ゴンドラ駅とTO
ようにとのこと。とりあえず歩いて2分ほどのTOだけ確認し写真をとる。横に3機ほど広げられ傾斜も適度にありテイクオフはフィンケンよりも容易そう。
さらに雲行きが怪しくなってきたので急いで降りるも乗り継ぎ駅につく前からついに雨が降り出し雷様もおいでになって突風のためペンケンゴンドラもしばし運休、2時ごろやっと下山。
ノイシュテフトに戻ることとし車を走らせるが、途中ノイシュテフトの西風が強いことを確認したため、Uターンして本日もインスブルックの旧市街観光に向かう。
今回は昨日よりも少し時間を多く取り各自思い思いに散策。インスブルックの北のノルドケッテ(北の鎖)にもフライトエリアがあるとのこと(ハーフレイカー)但し空港の管制空域に入るため町の上空には出て来れない。LDは東へ6Kmほど行った所にあるとのこと。
夜には新しく合流するイクスの13名が到着する予定。昔函南で飛んでいた私としては懐かしく、もしかすれば顔見知りがいるかも。
6月27日(金) 晴れ のち夕立
朝イクスのメンバーと初顔合わせ。残念ながら顔見知りはいなかったが昔テルミックというグループにいたころ作った懐かしいチームフライトスーツにお目にかかる。
イクスのメンバーは初フライトのため足慣らしとしてノイシュテフトからテイクオフする事としジオグループはシュリック2000へ、今日はプロデザインより借りた試乗機(ジャズMサイズ)を使用。第一印象はやはり軽いということか、TOで広げてみたらライザーが袋に入っている全くの新品だった。外縫いのアンダーサーフェイスはいつものプロデザインという感じだが良く見ればVリブがあるのは中央の1/3ほどなので何か外縫いの線が目立つ。
TOうしろの雲が怪しかったので早めにテイクオフ、弱いアゲインストの中リバースで立ち上げる。キャノピーが軽いせいか頭上でゆったりキープしているような感じで問題
なくテイクオフ。ゴンドラステイションの上まで少しゲインするがチョットしたトラブルを抱えていたため試乗機の動き、反応をブレイクコード、体重移動、アクセルなどで確かめながらノイシュテフトに移動、抱えていたトラブルができるだけ人目につかないようLDの端のほうにランディング。少し雨模様となったので暫くウエイティング。
回復してきたようなので3時ごろノイシュテフトTOへ上がる。イクスのメンバーは次々とテイクオフしていくが渋そうなので暫く様子見。これが実は失敗で風は逆に弱くなりついには無風、仕方なく苦手なフロントでのテイクオフを試みるが登山道の段差でつまずきあえなくスタチン。その間にどんどん雲行きが怪しくなり、中台さんからも早く下りるよう指示が入る。フォロー気味の風の影響をできるだけ避けようとかなり下へ降り、瞬間入ったアゲインストでリバースにて立ち上げ何とかテイクオフ。
やれやれと思っていたらついに雨が落ちてきた。TOはフォローなのにLDはかなり強いバレーが入っているとの事、翼端折でアクセル全開、できるだけ前へ出しながらこの時ばかりは早く降りることを祈ったが、結局高度差が災いし15分ほどの雨中飛行となってしまった。
イクスのメンバーの中にもだいぶ苦労していた人もいたようだが大きなトラブルになることもなくまずはラッキー。
ノイシュテフトの夕立もフルプメスに戻れば降っておらず、ホテルの庭で濡れたキャノピーを乾かし希望者はプールで一泳ぎ。
本日夕食はバイキング。イクスのメンバーとここで正式にご挨拶、自己紹介。
6月28日(土) 晴れ 午後一時雨
ステューバイでの滞在も今日が最後となってしまった。
9時、とりあえずシュリック2000のTOへ向かう。イクスのメンバーはここからの初テイクオフとなり、あんのじょう途中駅で一度降りてしまった人もいたとか。
一度目は全員フルプメスのLDに降ろすということになりイクスのメンバーから次々とテイクオフ、私もフルプメ
スのLDへ降ろすのは初めてだ。時間が早いのでほとんどリフトは感じない。初めて北へコースを取りフルプメスの町に上空へ出、写真をとった後ピッチング、ローリング、スパイラルを試す。所詮私程度が試すことなので結果は押して知るべし、順調に高度をロスしてLDへ、意外と下が強くショート気味にアプローチしてしまい手前のジャガイモ畑を何とかクリアし同時進入となったもう一機と山側と谷側を分け合いランディング。
一台分人数がほぼ集まったところで(昨日よりイクス2台とあわせて3台となっている)再度シュリックゴンドラへ向かいTOへ上がり今度はノイシュテフトヘ全員が向かうことになり、イクスノメンバーは勇んでミニクロカンへ次々と出発。
ぼちぼちサーマルも出てきたようなのでテイクオフするが余り上げられずTO前のリッジがらみで一応少しだけトップアウトした後ノイシュテフトへ向かう。かなり低い位置でしかノイシュテフトヘ付けなかった。30分以上同じような高度を上がったり下がったりしながら粘ってはいたが、他を見ていても上がれないようだし混んできたので諦めてランディングへ。約70分。
LD横のスタンドでホットドックの昼食を食べながら天候の様子を観察、良くなればノイシュテフトへ再度上がるつもりであったが雨模様となり、LDの風も南となってしまったので4時15分ついに断念することに。
しかしその少し前に雨の中をTOへ上がるフライヤーを6名ほど目撃していた。あの人たちは結局どのようにして降りたのであろうか、雨はその後10時近くになっても降っていたし風も突風が吹いていてとても飛んだとは思えない。
そんなこんなで最後の日は終了してしまった。明日の出発は早い、荷物を早々にかたずけ早々に就寝、といっても10時過ぎていたが。
中央駅と駅前通り
6月29日(日) 晴れ
今日も良いフライト日和になりそうだ。心残りを感じつつ5時5分にホテルをチェックアウト、約20分で空港に着くが6時搭乗予定の便はディレイして9時5分発。判っていればホテルの朝食が食べられたのに。しかしながらリンツ経由のはずがアムステルダム直行となりほぼ当初の予定通り10時着。
乗り継ぎ時間が十分あるので永田さんは買い物、桐木さんは空港内カジノ、私は列車でアムステルダム観光へ、20年ぶりの訪問であったが駅前の観光案内所も懐かしく見てダム広場まで往復。日曜のため空いてる店が少なく、バックパッカーがやたらと目に付く。
12時ごろ空港に戻り、永田、桐木さんとはここで別れ予定どうり今回の最後となるフライトで一路関空へ。無事予定どうり到着するもここで最後のラッキー?パラザックがロストバッゲージ。アムスでの乗り継ぎ時間が長かったため積み残したと後で判明、おかげで楽に家路に着けました。
荷物は翌々日宅急便で無事到着。
追記、
ここオーストリアでも入山チェックはなし。ランディング使用料がリフト代金に含まれていることが多い。
ゴンドラ、リフト料金は下記のようでした。
宿泊者割引
シュリック2000(1回) 11.8EU 10.7EU
ノイシュテフト(1日) 20.0EU
(1回) 7.7EU
ツィラタール フィンケン 10.0EU
ペンケン 7.2EU
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