GEOSPORTS AERO SPACE DEPT.
マルチコプター レスキューシステム
Malticopter Quadcopter Dorone Recovery System
マルチコプター(Multi copterとは複数のプロペラを持つヘリコプターを意味する

2つ以上のプロペラで搭載し飛行する回転翼機である。4つのプロペラを持つものはクワッドと呼ばれ
6つのものはヘキサ、8つの物はオクトと呼ばれている。 
 歴史と特徴

2000年ごろから注目されたUAV (無人飛行機)等の開発後 その中でも固定翼(翼を持つ航空機)比べてヘリコプターの形の無人機はホバリング(空中での静止)そして垂直離陸、着陸が出来る等、多く利点があるため注目を浴びる。

1980年代から始まった、ラジコン等を用いた空撮は実機に比べはるかにコストパフォーマンスに優れ 安易に行われる為 需要は増える傾向にあった。
しかし、当時のフイルム等を使用した撮影ではある意味経験値だけを頼りに撮影が行われた。

その後電波の転送によりモニタリングシステムが開発されると地上にいてアングル等の確認が出来るため精度の向上が図られた。
東京等の大都市ではタワーマンション等のベランダからの予想景観を撮影できたり予想図面の作成等需要が広がり結果的に多くの撮影機材が開発されそして、操縦者が誕生する。

フィルム等を用いた写真撮影はその後動画に移る。これはビデオ等の撮影方法がデジタルに移行し、軽量な機材が発展すると瞬く間に空撮の需要は拡大した。

しかし、実写では無くラジコン等の小型機に全てとって代わられたのでは無く、映画、広告と言った精度やレベルの高い撮影では現在でも航空機、特にヘリコプターでの撮影需要は高い。しかし。その運用コストそして複雑な 安定措置の付いたカメラマウント等 作品自体がそれに見合った制作費をカバーできるのであれば十分にその価値がある。
勿論、今後も需要があることは言うまでも無い。

 豆カムの登場

1993年にソニーから豆カム CCD-MC1 が登場すると空撮の世界は大きく開けた。私自身もパラグライダーでテレビ、CM等の作品やハウツービデオの作品にに多くの同様機種を使用しテスト出来たのは幸運だったのかもしれない。1985年頃からフイルムからビデオの空撮を職業として行いその、 歴史の一端に直接触れることが出来たのが現在の礎になったのだと考えます。

その後手持ちで撮影出来る高性能ハンディーカムは小型、軽量そして安価になることで爆発的に空撮業界に貢献しました。個人プロフェッショナルを問わず作品を多く制作できたのです。

モターパラグライダーで撮影1990年代後半には パラグライダーのエンジンの付いた”モターパラグライダー”が脚光を浴びました。(当社では1994年に タバコ 会社依頼によりタヒチでの撮影を行いました)
手持ちのカムの撮影はまさに鳥の目線で撮影が出来、手持ちのぶれもある意味 味 となり 2000年ごろには多くの空撮等に採用され有る意味 空撮の モーターパラグライダーの 黄金期が訪れます。2005年にはNHKで放映された シルクロード に代表される一連の作品です。

 安定装置の登場

 2013年を境にメーカーは3軸の撮影時の揺れを吸収する カメラジンバルが開発されると 一気に多くのフィルルムメーカー、CM等でシェアを伸ばした そして、PFVが精度を増して地上でモニタリングが出来るようになると 操縦者がフライトさせて 監督がジンバルを操作すると言う まさに最終系に到達して仕舞うまで圧倒的な時間で到達したことは多くの業界関係者が驚いた。

 
 人間が乗らない航空機


一般的に UAV(Unmanned Aerial Vehicle)と呼ばれる無人航空機はドローン(DRONE)とも呼ばれている。人が乗らず遠隔操縦を行いことはラジコン飛行機(Radio contol)RC と呼ばれる趣味用や工業用の分野において1930年代から無線の発達と共に実験が行われて来た。この分野でも”軍用”の需要がその進化を加速させた事は言うまでも無い。1940年台では戦車や航空機のRC化が研究され多くの試行錯誤が行われた。この時点ですでに人間に代わり 出来るだけリスクを避けるための手段としての手法が位置づけられていたと推測される。又軍用戦闘訓練等の訓練用に標的機に搭載してより実践に近いシュミレーションを行うことに寄与した。

そして、”おもちゃ”(玩具、トイ)の分野においても1950年代半ばには販売されて居た事を考えると、航空機の歴史の約半分にあたる期間を”おもちゃ”として確立して居たのはある意味この2つの技術が成熟期を迎えた事による当然の融合と考えても不思議は無いだろう。

 安全性
 安全性とは何か?空に浮いてい居る限り ”落ちる”と言うリスクは回避する事が不可能だ。
30年に渡りスカイスポーツの分野でスクールの経営や機材の開発を行って来てたどり着いた結論は極めてシンプルだ。”リスクは最小限度に留める努力は出来るが リスクを避ける事は決して出来ない”


 何処までの安全性?
 一番安全な事は”飛ばない事だ”それだけで、どれだけのリスクを回避できるかを理解するのは簡単な事だ。
がそこを、敢えて飛ぶと言う選択肢を選ばなければ成らないのならば、そのリスクに対して学ぶ必要がある。

 機材の不具合 
 電池切れ:
 殆どの航空機は燃料を燃焼させてエンジンを使用して推進力を得る。多くのマルチコプター等は現時点ではバッテリーを電源としてその推進力を得ている。つまり、電池切れは即座に”墜落”を意味する。しかし、ソウフトウエアで電池の残量低下で自動的に離陸地点に戻ったり、表示等によりそれを回避する手段が取られて居る場合もある。滑空機でないヘリコプターはエンジンが停止してもオートローテンションと言う手段で着陸を可能とする。しかし。マルチコプターには現時点ではその手段が使えない。
 ノイズ:
 屋外においても、室内同様に機械や電子機器が生み出す多くのノイズが存在する。そして、それらは突然現れれる事も有り得るのだ。
つまり、突然な何の前触れも無くノイズが発生する可能性がある。よってマルチコプターの制御回路に影響を与える事は稀では無い。そして、GPSの信号に位置安定を頼る特徴があるためノイズがGPSに影響を与える事は致命的になる可能性が高い。 私たちの実験でも GPS信号が乱反射する事やサーボ等の磁石等 計器を乱すノイズがGPS信号を捕らえられずエラーとなる症状が数多く認められました。

 メカニカルトラブル:
 機械である以上全ての不具合の可能性があります。プロペラを止めるナットからモータの不具合等他の航空機や機械ととなんら変わらない不具合が直ちに”墜落”に結びつきます。
滑空するすべが無い航空機である以上推力の減少は重力に逆らう事は出来ません、つまり墜落する事か選択肢が無いのです。
 



 危険なのか?

 この問題は人類が空を飛ぶようになっての永遠のテーマです。少なくとも地面に居ればリスクは限りなくゼロに近いです。
(強風であおられた航空機は地上でもかなり危険です)しかし。空中に浮かんでる以上そのリスクは避けようも有りません。その物体を空中に留めて置く確固たる理由無しにそれ自体を行うべきでないかも知れません。

少なくとも、そのリスクに対して許容できる状態で有るかどうかを判断できる人意外は操縦や飛行の判断するべきでは無いと言う事をハッキリさせるべきだと思います。

 事故を起す方の多くは 初めての経験です、ラジコンであれ自身が操縦するものであれ同じです。
小さなミスから経験を積んだパイロットや操縦者はその経験を生かした成長を遂げます。しかし。初めてのミスが最後になってしまう事もあるのです。 

 機材の進化は安全性の向上に役立つか
 経験を多く積んだ経験者は機材の進歩に心の底から驚きます。何故なら いつかは起こるそんな技術革新を夢見ていたからです。 つまり、便利になる事により安全性や心配を減少させる事が出来るからです。

一方で経験が無く途中からその状況に入った方はその進歩自体が当然の現状である訳です。
この二者には埋める事が困難なギャプが存在する事を理解しない限りその進歩の意味すら曖昧になると思います。

 安全装置の罪
 1980年台にも“フールプルーフ” FOOL PROOF と呼ばれる安全装置が機械に多く取り付けられました。
判りやすいのはオートバイのサイドスタンド センサー でしょう。つまりサイドスタンドが出たまま発車すると途中で引っかかり転倒に繋がる為,其処にセンサーを取り付け 出ている時はエンジンが掛からない様に新しい仕組みを加えました。
 これにより サイドスタンドを引き込み忘れるほどの方でもオートバイに乗れるようになりました。
つまり、注意力や想像力が欠如している人間にまで安全性と言う名の下に"進歩"は行われたのです。

 フール プルーフ は馬鹿止め と日本語するべきかも知れません。


 誰が操縦するか?

航空機は基本的に操縦者がパイロットです。つまり運用の全責任を負うのです。気象判断や状況の判断等を含めて全ての責任は基本的に操縦者が負うことになります。

 以前の航空機は経験や多くの失敗から導き出された熟練が唯一の支えでした。しかし、電子化が進むにつれて
経験値が少ないものでもその決断に電子情報や時には管制塔のアドバイス等助言が受けられる時代だと考えます。つまりカンだけに頼らない時代とも言えます。

 さて、無人機 UAVに話を戻すと 今まで以上に知識の無いパイロットでも操縦出来るようになった。そして、新たなる安定装置は副操縦士程度の知識でも運用可能となった。GPS の位置情報から導き出される安定装置は 革命的に飛行安定に貢献して 基本的な航空機の知識が有れば 誰でも運用できるように成ったのです。

 そして、それらの安定装置を円滑に役立てられるソフトウエアは 航空機を使用する乗客にでさえも操縦出来るようになった。付け加えるのであれば、それが子供でも頑張れば手の届く価格になった事が何を意味するか考える時期になったのかも知れない。正に空の産業革命は何を意味をもつのか。