2001ヨーロッパツアー

帰宅した私の家族の第一声「なにそのきたない顔と腕!どうしてそんなに焦げたの!」。現地では日焼止めを塗っていました。でもほとんどの日が晴れ、そんな中この時期に一日中外に出ていればそりゃ焼けます。
今回で私はジオ・ヨーロッパツアーへの3回目の参加となります。過去2回での晴天率は標準かそれ以下でした。ところが今回はツアー行程7日中参加メンバー全員がそのうち6日を飛び、おまけに5日間はベストコンディション。飛んで飛んで飛びまくったヨーロッパツアーでした。

フライト日記
6月24日(日) 天気:晴れ フライトエリア:ノイシュティフト グライダー:イフェクト34
レンタカーの予約トラブルのために12時からのフライトとなる。私は午後1時50分に参加メンバーの一番最後にテイクオフする。すぐサーマルを拾い10数分で2900mまで上がる。バリオは時々+5m/sを越える。テイクオフエリア南の岩山(2500m)の上空でしばらく遊ぶ。今回は久々のフライトなので無理せずにしばらくの間サーマルソアリングを楽しむものの30分もすると飽きてしまい、1時間ほどでトップランディング。ここでポットに入れて持ってきたコーヒーを飲み一服しながらみんなが上ってくるまで優雅な時間を過ごす。午後3時30分にテイクオフするものの、「今日はもういいや」という思いがあったので、翼端を折って約10分でランディング。
みんなが飛んでいるのを下から見ているが、いつまでも降りてこない。気がつけば午後6時30分、中台さんが無線指示を出し全員をランディングさせ宿としているドナホフへ戻る。
6月25日(月) 天気:晴れ フライトエリア:ノイシュティフト グライダー:イフェクト34
今日も朝から天気が良い。私は午前中は休みとし午後のサーマルタイム一本に絞ることにする。昼前にみんなが1本目を降りてから一緒にテイクオフエリアへ上がる。午後2時5分にテイクオフするが2700mまで上がるものの上空はあまり安定していない。いくらでも飛べたが、あまり楽しくないので午後3時5分にランディング。
一緒のメンバーの一人がテイクオフできなくなり、5時ごろリフトで降りてくる。今日はここで撤収。

6月26日(火) 天気:晴れ フライトエリア:ノイシュティフト グライダー:イフェクト34
今日はシュリックで飛ぶ予定だったが、なんとゴンドラがモータートラブルで運休している。しかたなく今日もノイシュティフトへ移動。今日も午後のサーマルタイム一本に絞り、午後2時20分にテイクオフ。しばらくの間はとても渋いが、他のメンバーが粘っているのを見て私もテイクオフエリアより100mほど下で30分ほど粘る。しばらくして何とかテイクオフレベルまで上げなおし、そこから2300mまで上げる。ここでしばらく雲底が上がるのを待つ。雲低は徐々に上がって、それにつれ私も2800m、3000mと上がってゆく。3200mになったところで、谷を渡り4km東の岩稜へ取り付く。ここで3500mまで上げ、北のインスブルック方面に走ることにする。ここまで上がってきたのは私一人だけ。他のグライダーははるか下方のテイクオフエリア上空にへばりついている。大空独り占めはとても気持ちがいい。日本の山にはない尖った岩稜を超えて行く。8kmほど移動し一番北にある2700mの岩稜を超え、さらにそのまま北へ8km走りインスブルックとの中間点にあるヨーロッパ橋に到達。(ここからインスブルック方面は航空管制空域でパラは進入禁止)

ここから
Uターンしノイシュティフトへ戻る。高度を失いスチューバイのバレーウインドにのっているため帰りは早い。中台さんからみんなが撤収した旨の無線が入り、ノイシュティフトではなくシュリックのランディングエリアで落ち合うことにする。フルプメスの上空でみんながやってくるのを待ち、そしてランディング。2時間のフライトであった。宿へ帰ってシャワーを浴びてから空を見ると午後5時30分だというのに私と同じルートを飛んでいるパラとハングが4〜5機いる。高度は約3000m!ここは何というエリアなんだろう!!夕食が始まるまで約1時間の間、その光景に見とれていた。

6月27日(水) 天気:晴れ フライトエリア:アーヘンゼー、マークバッハヨッホ グライダー:イフェクト36
今朝もピーカン。昨日までは装備重量がグライダーの上限を10Kgも越えたところで乗っていたが、今日からは適正なサイズのグライダーに交換してもらう。実は今回のツアーで私はジオスポーツとプロデザインのご厚意によりグライダーを現地で借りているのである。
午前8時15分出発で一路アーヘンゼーへと向かう。目的地には午前9時過ぎに到着。ランディングエリアでの中台さんの説明を聞き、私以外はテイクオフエリアへと上がる。昼頃、私は一人でテイクオフエリアへ上がり、午後1時25分にテイクオフ。最初は+2m/sぐらいのサーマルで回していたが、2300m付近で+5m/sを超えるサーマルをヒット、あっという間に3000mに到達する。サーマルはMAX+7m/sを越えさすがに少し怖くなる。他のグライダーがいないことを良いことに3800mで雲中に突っ込み最大で3900mまで上げる。
雲から出るとアーヘンゼーよりだいぶ東側の山の上空(テイクオフより3km東)。谷沿いにクラウドストリートができており約30km東のウェステンドルフまで楽に飛んで行けそう。とりあえずアーヘンゼーを一周することににし、北西へと10km程走る。湖の北端でシンクにつかまるが、湖の対岸の山で上げなおし、ここから南へと向かう。途中何度か降りそうになるが、そのたびに何とか上げなおし10km程移動しランディング対岸のピークへ達する。そこから5km東へ移動しアーヘンゼーを一周しテイクオフ上空へ戻る。(フライトタイム2時間)優雅に湖岸のレストランでランチを取っていた他のメンバーとランディングエリアで合流し、そこからマークバッハヨッホへと車で移動する。私は疲れきっていたため、ランディングエリア横のカフェでビールを飲みながら皆が飛んでいるのを見ていた。

こんなに飛べるとさすがに疲れる。これ以上晴れるとミイラになるぞー。


6月28日(木) 天気:小雨
朝から恵みの雨。今日はプロデザインの工場見学とインスブルックの市内観光。
以上。

6月29日(金) 天気:小雨→晴れ エリア:ノイシュティフト グライダー:イフェクト36
天気予報では回復するはずだが、衛星画像ではチロルにだけ低い雲が残っている。そこで午前中はショッピングモールでお買い物。昼食はダウンタウンで怪しい中華。私は「焼きそば」だと思い「フライドヌードル」をたのむが、出てきたのはまるで「皿うどん」。そのあと私は70cm四方もある折りたたみ不可能なチロルの立体地図を購入。午後2時にいったんホテルに戻り、それからノイシュティフトへ向かう。午後4時にリフトに乗り、午後5時にテイクオフ。ぶっ飛びであったが全員が飛んだ。

6月30日(土) 天気:晴れ エリア:シュリック、ノイシュティフト グライダー:イフェクト36
今日はフライト最終日である。今回のメンバーは日頃の行いが良いから当然晴れ、それもサーマルコンディションが期待できる天気である。シュリックのゴンドラが動くという情報が入り朝9時にシュリックへと向かう。私はいつも通り朝一はぶっ飛ばず、昼近くからのサーマルを狙うことにする。みんなが一本飛んできてから一緒にテイクオフへと向かう。そして午後1時15分にテイクオフ。まずシュリックの尾根沿いでサーマルを拾い30分ほどで2700mまで上げ、3km南に移動する。そこから谷の対面(約5km)にあるノイシュティフトへと向かう。ノイシュティフトで再び上げなおし岩山(2500m)上空で2800mに達する。ここから6月26日のコースより北側を通り東の岩稜へ到達する。そこで3200mまで上げ北のインスブルック方面へと向かうが、今回はヨーロッパ橋まで行かずに岩稜の一番北のピーク(2700m)を東側から回り込み、ここでUターンしノイシュティフトへ戻る。そしてしばらくの間サーマルソアリングをしていたが、飽きてきたので3時40分にランディング。午後4時ごろより小雨がぽつぽつと落ちてくる。絶妙の時間のランディングだった。


7月1日(日)
今日は帰国の日である。天気予報は晴れであったが、朝から雨。「もう十分飛んだだろ。そろそろ帰りなさい。」とチロルの空が言っているみたいだった。
ここには書ききれないぐらい色々なことがありました。たとえば「フランクフルトたばこ事件」「Yさんトップラン事件」等々、また夜もにぎやかで楽しく過ごせました。残念だったことは天気が良すぎて毎日帰りが遅かったため、せっかく水着を持っていったのにホテルのプールに入れなかったことぐらい。
私は結婚してからこのツアーに参加し難くくなってしまったけど、チャンスを見つけて必ずまた参加するつもりです。私と同じ思いの人も多いみたいで、3回どころか5回以上参加しているつわものも何人かいると聞いています。
今、私のいる部屋の壁には苦労して持ち帰ったチロルの立体地図がかかっています。